差別を革命せよ
多民族国家であるミャンマーには、宗教や人種に基づく差別が根深く残っている。クーデターを起こしたミャンマー軍は、人々の心の内に潜む差別を利用し、国民を分断してきた。独裁に反対している抵抗軍の中にも、差別が根深く残っている。平和なミャンマーを取り戻すために乗り越えるべき課題を明らかにしたインタビューである。

鉄格子からの歌
ミャンマーのインセイン刑務所の女性房から、切なくも力強い歌声が響いていた。クーデター軍によって不当に逮捕された女性たちが、自分たちを励ますために歌っていたのだ。その後、ミャンマー全国の刑務所に広がっていった。その歌を作ったスースーヘインは、解放されたのち、今も獄中にいる同胞たちのために歌う。

砕けぬ魂
ミャンマー東部で暮らすキリスト教徒のカレンニー族たちは、長年ミャンマー軍による迫害を受けてきた。クーデター以降、軍による少数民族たちに対する攻撃は苛烈を極める。なぜ、ミャンマー軍は宗教施設を攻撃するのか。軍関係者のインタビューも交えながら、祈りを捧げるカレンニー族たちの声を聞いた。

クーデター直後の抗議デモに参加した女性たち。彼らはその後、それぞれの道のりを辿った。かつてファッションモデルを夢見た10代の少女は、抵抗勢力の指導教官となった。国境を越えて逃れた元教師の苦悩。あるジャーナリストの女性は、ミャンマーの「解放区」にて今もニュースを伝え続ける。6人の女性たちの声に、耳を傾ける。

H公務員の夫を持つギギは、母国で平和な日常を暮らしていた。軍事クーデターが起きて以後、生活は一変。夫はCDM(不服従運動)に参加し、同僚たちに対しても抗議するように訴えかけていた。ある日、私服警官が自宅を訪れ、危険を察知した家族はミャンマーを逃れてタイへ。そこで待っていたのは、タイ警察からの不当な扱いであった。
